知っておきたい大学入学共通テストの「合理的配慮」
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●整備が進む大学の「合理的配慮受験」
2024年4月から、「障害者差別解消法」における合理的配慮の提供義務が民間企業に拡大したため、合理的配慮受験の整備が進められています。ただ、中学受験はまだまだ、公立の高校受験は都道府県による差が大きく、私立高校に至ってはこれから、というところです。
そのような中、多様な配慮事項が用意されているのが共通テストです。共通テストで得ることができた合理的配慮は、私立大学受験でも可能になることが多いため、共通テストの合理的配慮についての知識は、合理的配慮受験を考えている学生にとって知っておきたいことのひとつです。「令和8年度 大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 受験上の配慮案内(大学入試センター)」から、内容を見ていきましょう。来年度以降の参考にしてください。
本記事は都内でディスレクシア(発達性読み書き障害)専門の英語塾、「もじこ塾」を主宰する成田あゆみ先生に監修していただきました。
成田あゆみ(なりた・あゆみ)
ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」を主宰。合理的配慮受験に詳しく、学習障害を持つ大学受験生のサポートを行う。これまでに、30人を超える大学受験の合理的配慮申請のサポートをしている。
●発達障害も、もちろん対象
共通テストにおける合理的配慮の対象は、主に次のように分けられています。
1 視覚障害
2 聴覚障害
3 肢体不自由
4 病弱
5 発達障害
6 その他
発達障害も区分の一つとして明示されています。合理的配慮の申請は、時間がかかるだけでなく、神経を使います。認められるかどうかとハラハラする時間は、なんともいえない焦燥感があります。もちろん、申請の可否は個々の症状や状態に基づき審査されるのですが、このように発達障害が明示されているだけで、発達障害の子どもを育てる親としてはちょっとした安心感があります。
「受験上の配慮案内」に記載された、発達障害における「主な配慮事項の例」を見ていきましょう。
●試験時間の1.3倍の延長
まず「試験時間延長」があります。
申請内容によって、試験時間を1.3倍とするものです。「限局性学習症(学習障害)」の場合、これは主な選択肢の一つです。ただ、全科目を1.3倍にすると試験時間が長くなりすぎてしまうという問題があります。「国語と英語だけ」など、本当に必要な科目だけの延長が好ましいと、成田先生は言います。
今年(2025年度)の試験から、新たに「情報」が加わり、それだけで60分試験時間は延長しています。成田先生によると、国語と数学(2)の試験時間も、それぞれ10分ずつ延長されたため、全科目を1.3倍にすると、国公立大の6教科受験で合計約600分の試験時間が、さらに延びてしまうといいます。どの科目を延長すべきか、模試などで試しながら考える必要がありそうです。
ちなみに個別の科目の延長に関しては、現在のところ申請前に大学入試センターへの相談が必要となります。
●マークシート方式が苦手なら
マークシート方式が苦手な学生は「チェック解答」を申請することができます。手先の細かい作業に困難がある場合の選択肢です。
解答用紙には「0 1 2 3 4 5 6 7 8 9」などと番号や記号が書かれており、選んだ解答の上に、「✔︎」をつける方法です。
説明には「「✔︎」 を表示するのが難しい場合は、例えば「○」「×」「/」など,解答箇所が判読できる表示であればいずれでも構いません」とありますから、書きやすい方法を選ぶことができ安心です。
また、空欄に手書きで答えの数字を書いて、解答することもできます。
これらの解答用紙と解答例は、下記からサンプルを見ることができます。
●拡大文字の問題冊子を使う
読みやすさが、文字の大きやフォント(明朝体、ゴシック体などの文字の種類)、文字の前後や行間のスペースによって、大きく変わる人もいます。共通テストの一般的な問題冊子の大きさはB5判、文字の大きさは10ポイントですが、読みに困難がある場合は拡大された問題冊子を使うことができます。
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- ●注意事項等の文書による伝達
- ●別室受験は、少人数での受験
- ●じっと座っていなくても大丈夫
- ●必要であれば座席の指定もできる
- ●いつもの耳栓が使える
- ●大切なのは、早めの準備
- ●進化し続ける共通テストの「合理的配慮」
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