中学受験と発達障害
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本記事は、都内で「β(ベータ)国語教室」を主宰する善方威先生に監修していただきました。
善方威(ぜんぽう・たけし)
中学受験国語塾β(ベータ)国語教室代表(経営者、指導責任者)。東京都内に5教室を展開。これまで750名を超える受講者を指導。著書は『全教科対応! 読める・わかる・解ける超読解力』『全試験対応! わかる・書ける・受かる超思考力』(いずれも、かんき出版)、『マンガでわかる! 読解力を10日で上げる方法~中学受験国語カリスマ講師直伝〜』(あさ出版)など多数。新刊は『中学受験国語 こども超読解力 かなりやさしめ』(かんき出版)。
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●中学受験をどうするか?
「うちの子は発達障害だから、中学受験はムリ?」と悩む親御さんがいます。
結論からいえば、そんなことはありません。中学受験を経て、希望の学校へ進む子はいます。特に、自身の特性と学校の雰囲気や校風が合えば、高校受験をせずに6年間、落ち着いた環境で過ごすことができます。これは環境の変化が苦手な子どもにとってのメリットです。
また、興味や関心が特に絞られているお子さんも、中学生、高校生時代を有意義に過ごす場所を得ることができるでしょう。例えば「アリだけに強い興味がある」などという場合、それを突き詰める環境を提供してくれる学校に、中学受験をきっかけに出合えるかもしれません。
とはいえ、中学受験はどんな子にとっても厳しい面があるものです。発達障害の子どもにとっての中学受験のポイントを見ていきましょう。
●私立中学における合理的配慮について
2024年4月から、「障害者差別解消法」における合理的配慮の提供義務が民間企業に拡大したため、合理的配慮の整備が進められています。私立学校も対象となりましたが、具体的な対応は学校ごとに異なります。
発達障害の診断を受けており、必要なサポートがわかっているのであれば、学校説明会などで確認しておくとよいでしょう。「すでに同じ合理的配慮を受けている在校生がいる」などの安心材料が手に入るかもしれません。反対に、学校が合理的配慮に対して関心が薄いなど、考え方の違いが見えてくることもあります。
個人相談会などを通じて、いろいろ質問してみるのがいいでしょう。
●受験における合理的配慮は?
では、受験自体の合理的配慮はどうでしょうか。
中学受験における合理的配慮が進んでいるかというと、現時点ではまだまだこれからだと思います。大学入学共通テストのレベルにまで制度が整えられるには、時間がかかるかもしれません。(大学入学共通テストの合理的配慮についての記事はこちら)
例えば、東京都立の中高一貫校。「令和8年度東京都立中等教育学校及び東京都立中学校入学者決定に関する実施要綱・同細目について」において、「小学校の校長 → 志願先の都立中学校の校長へ申請 → 都立学校教育部高等学校教育課入学選抜担当に報告し、協議」という手続きのルートが示されています。4者(受験生、小学校校長、中学校校長、教育委員会)が関わることになるわけです。手続きが多いため、申請のハードルが高いと感じる方もいると思います。
合理的配慮は、自治体や年度によっても変わるため、入試の際には必ず新しい要項をチェックしてください。
●多様な入試の形
とはいえ、私立中学の受験科目や方法自体が、結果として合理的配慮の代わりになっている側面もあるかもしれません。
「国語・算数・理科・社会」の4科目で評価するのではなく、「国語・算数」で評価したり、「算数」「国語」などの1科目だけで評価する学校もあります。また「外国語(英語)」受験の枠を設けている学校もあります。得意な科目だけで受験できる余地が、中学受験にはあります。
「得意なこと」の評価は、科目だけではありません。
好きなことを発表するプレゼンテーション能力を見る入試や、ブロックで作品を完成させることで創造力を見る入試もあります。プログラミングが試験科目の一つになっている学校もあります。
このような入試をしている学校は「何かに夢中になっている子に入学してほしい」「プログラミングが得意な子に来てほしい」という学校側の希望があるということです。お子さんの興味と、学校が提示する試験科目が一致するなら、志望校の一つに加えてもいいと思います。