息子が自閉スペクトラム症と知って 第3回 理解してくれない祖母との関係
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●自分の母親の無理解に悩む
−− 周囲の理解はありましたか?
自分の母親(息子の祖母)との関係に悩みました。障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)をとって療育に通わせていることを話したときのことです。なぜ話をしたかといえば、私の母に、妻の手伝いをしてもらわなければならなかったからです。この頃私は海外で単身赴任をしていたので、幼稚園や療育の送り迎えができませんでした。さらに下には娘が生まれていたので、妻一人では物理的に手が足りなかったからです。手伝ってもらえるのは、東京に住んでいるうちの実家しかありませんでした。
療育の送り迎えを手伝ってもらうには、発達障害について説明しなければなりません。母は、「え? 何? 知能に問題があるの」と言ったきり、いくら発達障害のことを説明しても、全く理解することができないようでした。そして「いつ治るの? どうやったら治るの?」と何度も聞いてきました。自分の孫が、障害者手帳をもらうということが、どうやらすごくショックだったようです。
−− かわいいお孫さんですから、ついそう思ってしまうのでしょうね。
その時にはもう、妻も私も、「障害者手帳は、公的支援を受けるためのただの免許証みたいなものだ」と割り切って考えていました。ただ、母にはそれができなかった。その後も事あるごとに、「治るんでしょ?」「ちょっと違うだけでしょう?」「男の子は言葉も遅いからよね」などと言っていました。一方父の方は、わりと普通に受け入れていましたね。「そうなのか。うん、まあ、いろいろあるんだろう。子どもはな」と言っていました。
−− 現在はどうですか?
多分、今でも受け入れていないと思います。ただ、息子のことはすごく可愛がってくれています。ただ、発達障害のことを理解はしていません。特に大きくなった今は、「普通になった」と思っていると思います。
−− 奥様とお母様との間で、うまくいかなかったということはなかったのでしょうか。
そこはうちの妻がうまくいなしてくれていました。母はうちの妻に「いつ治るの?」的な感じのトーンで話していいたので、いい思いはしなかったと思うのですが。
身内なので厳しい言い方になるかもしれませんが、昔から母の言葉には、障害のある人に対する偏見が感じられるところがありました。ただ僕自身、小児科で「知的障害」という言葉にショックを受けた一人ですから、そのことは責められないとも感じています。とはいえ母は、療育には極めて協力的でした。一生懸命送り迎えなどの手伝いをしてくれました。そこは単純にありがたかったです。母からすれば、たくさん療育へ通えばよくなると考えていたのかもしれません。
−− そこにはやはり、ご家族に対する愛情があるから。
そうだと思います。孫もかわいいし、という感じですね。
妻からは、うちの両親に「ちゃんとお伝えしておいてね」と念を押されていました。私の母は、孫の発達障害を理解して受け入れることはできませんでしたが、療育の送り迎えなど協力をしてくれることになったので、結果として伝えてよかったのだと思います。
●周囲の理解がなくても
−− 自分の親御さんや親戚との関係に悩んでいる人に、どのようなアドバイスがありますか?
いい意味で、幻想は捨てた方がいいと思います。
−− 説得とかはしないということですか。