「DSM」とは何か?

 発達障害に関する本を読んでいると「DSM(ディーエスエム)」という言葉が出てきます。何度も目にしながら、なんとなくわかったようでわからないDSM。今回詳しく説明してみようと思います。
黒坂真由子 2026.03.30
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●DSMは診断のマニュアル

 DSMは精神疾患を診断するときに用いるマニュアルです。世界中の精神科医や公認心理師、医療専門家などが、診断の際に参照しています。精神疾患を、「標準化された基準」で診断するために発展してきたマニュアルです。

 DSMは、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disordersの略称で、日本では「精神疾患の診断・統計マニュアル」と訳されています。米国精神医学会が作成しており、日本では翻訳版が出版されています。初版は1952年で、その後何度かの改訂を繰り返しています。電子版も販売されています。

 オリジナルの冊子だけでなく、診断基準のみを抜粋した持ち運びに便利なハンドブックも出版されています。日本では「精神疾患の分類と診断の手引」という題がついています。私が持っているのはすべてハンドブックで、ありがたいことに値段はオリジナルの4分の1ほどです。

 現在、よく目にするのは「DSM-5-TR」です。これは第5版「DSM-5」の改訂版です。2022年に改訂されたものが、日本では2023年9月に出版されました。TRは、Text Revisionのことです。

記事を書くときに、これで診断名をチェックしています。

記事を書くときに、これで診断名をチェックしています。

 DSMが版を重ねるごとに、そこに含まれる精神疾患の名前やその表現は変化しています。

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続きは、1904文字あります。
  • ●「発達障害」と「神経発達症」
  • ●とはいえ、DSMだけで診断はできない

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