息子が自閉スペクトラム症と知って 第1回 幼稚園に入れない
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●息子が自閉スペクトラム症だと知って
長男は現在中学2年生で、2歳児検診で自閉スペクトラム症(以下、ASD)の可能性を指摘されました。その時のことは、よく覚えています。私は海外に出張中で、家に電話をした時のことでした。「どうしてる? そういえば検診どうだった?」と妻に聞くと、「いや大変だよ。帰ってきたら話すから」と言われました。それだけの情報では余計に気になります。
妻は私が帰ってからゆっくり話したかったようなのですが、やはり気になったので「ちょっと教えて」と頼みました。そこで「発達障害の可能性が非常に強く、自閉スペクトラム症の可能性がある、という話があった」ということを知りました。
ただ、私がその時何を思ったかというと、「発達の特性なのだから、そのうち治るだろう」ということでした。ですからその時は、それほど深刻に受け止めてはいなかったのです。
−− 確かに、最初は「治るのではないか」と思ってしまうものですよね。奥様の反応はどうでしたか?
このインタビューを受けるということで、妻と話をしたのですが、「他の子と違うことは、生まれたときから気づいていた」と言っていました。子育てをしながら、違いをずっと感じていたようです。一人目の子どもなので他の子と詳しく比較はできなかったにしても、後追いが異常に多いとか、癇癪を起こしやすいとか、目立つところはありました。
あと、とにかく昼寝をしないとか。
−− 年中さんくらいまでは、お昼寝をする子は多いですよね。
それが、全然寝ないのです。これは今も変わらなくて、車ででかけても絶対に寝ないんですよ。妻や妹が疲れて眠っていても、ずっと起きています。
−− 夜はどうですか?
夜はぐっすり寝て、一回寝たら起きません。妻に「なんで寝ないんだろうね?」と聞いたら、「多分、あの子の脳はずっと動いているんだよ」と言っていました。見えるものがすべて気になるのではないかと思います。
−− 昼間脳がフル稼働して、スイッチが切れたように夜は眠る。
僕が息子の年頃の頃は、ご飯を食べた後や授業中などすごく眠かった記憶があるので、息子に「眠くならないの?」と聞いたら、「全然なんないよ」と言っていました。
小さい頃は、息子だけ列に並べないなど、他の子と同じことができないところがありました。そういえば一時期、「ハーネス」をつけていたこともありました。
−− 「ベビー用ハーネス」ですね。大人が紐を持つ形の。
そうです。そのくらい、すぐにどこかへ行ってしまう子でした。ただ僕としては、「子どもだったら、それくらいのことはあるんじゃない」と言っていました。私の母も、息子にとっては祖母ですが、「子どもなんだから、元気で当たり前」と言っていました。
−− 男の子ですもんね。
ただ、その考えを改めなければならなくなったのです。それは「幼稚園に入れない」という現実を突きつけられたからです。
●体験入学で断られて
3年保育の幼稚園に入れようと、私立の幼稚園に体験入園をしました。通ったのは、2週間ほどですが、それで入園を断られてしまったのです。「みんなと一緒に行動できないので無理です」と言われて。
−− 3歳で集団行動を求められたということですね。
そこでようやく、これはもしかしたらこの子は他と違うところが多いのかもしれない、と思い始めました。ASDの確定診断は、3歳になるかならないかで出ていたのですが、それでもまだ僕は、治るというか、一時的なものだろうと思っていたんですね。
だからその後も、幼稚園を何園も受けたり、相談に行ったりしました。それでも決まらず、引っ越しを機に、やっと受け入れてくれる私立の幼稚園を見つけることができました。そこはモンテッソーリ教育をしている幼稚園でした。