第4回 今すぐ使える音声教材とデジタル教科書 宮﨑舞氏 ロングインタビュー
「黒坂真由子の発達障害レポート」では、専門家からの情報、現場のリアルな情報を記事にしています。子育てや学校、受験、仕事などにまつわる、個人の経験も配信しています。
サポートメンバーの登録で、発達障害についての継続的な発信が可能になります。メンバーとしてのご登録をお願いいたします。メンバーシップは、無料、有料から選べます。どんな記事があるのかについては、こちらをご覧ください。
ご検討いただける方は、下記ボタンからお進みください。
LDの情報を集約するホームページを立ち上げた一般社団法人カラフルバード代表理事の宮﨑舞さんに、今すぐ手に入れられる音声教材やデジタル教科書について教えていただきました。全4回のロングインタビューの最終回です。
第1回 支援にたどりつけないLDの子
第3回 残る? 「申請主義」の壁
第4回 今すぐ使える音声教材とデジタル教科書(←今回はこちら)
●プロフィール
宮﨑舞(みやざき まい)

一般社団法人カラフルバード 代表理事。方が違う子の親の会ルピナス副代表、デジタルアクセシビリティーアドバイザー、デジタル庁デジタル推進委員、UDBook音声教材の製作・提供に関する調査研究委員会委員、東京都発達障害者支援地域協議会委員、ほか。
修士課程の大学院生。東京都教育委員会発行「LIFT~一人ひとりに合わせた 学び方の選択肢 端末で広がる読み書き支援」制作協力。読み書きが苦手な子がいます。
●すぐに検討できる教材や教科書
−− ここまで、2030年から始まるデジタル教科書に関する話をしてきましたが、今すぐに音声教材やデジタル教科書に関する情報が欲しいという方もいると思います。まずはすぐに活用できる音声教材について教えてください。
東京都教育委員会と協力して作成した資料があります。下記のリンクからダウンロードできます。「『読み』を助ける手立て」、「『書き』を助ける手立て」、「学習支援」に分けて、詳しく説明しています。
音声教材だけでもいくつも種類があります。その中からいくつかご紹介します。一番知られているのは「マルチメディアデイジー教科書」だと思います。全ての教科書というわけではありませんが、多くの教科書がここに収録されています。個人での申し込みも可能です。
−− 久々にデイジーを使ってみたのですが、いろいろな機能がありますね。個人的にいいなと思ったのは、ルビのレベル設定ができるところです。全部にふることもできるし、「小3レベル」など指定することもできます。あと、縦書きの文章を横書きに変更できるのもいいですね。体験できるページを入れておきます。
私がいいなと思っているのが、茨城大学が進めているタッチペンです。2次元コードが印刷された教科書紙面を音声ペンでタッチすると、その文章を音声で聞くことができます。このペンで使用できるシールが無償配布されているので、タッチペンを使う子どものためのテストも作ることができるんです。
使用風景
−− タッチペン形式は、よさそうですね。
NPO法人エッジでは、「BEAM」という取り組みで教科書の音声を無料で配布しています。小学校は国語と社会、中学校は国語、理科、歴史・公民・地理。高校教科書にも広がっています。
サンプル音声
−− スマホで再生できるので、使い勝手がよさそうです。
他にもいろいろあるので、試していただけるといいと思います。この資料は、東京都教育委員会のもとで発信しています。ですから、ご自身の学校で音声教材の活用が進まないときには、この資料を持って学校との話し合いに臨むといいと思います。
−− 教育委員会の元で発信された資料だから、説得力がありますね。
この資料には、「全国学力調査」の合理的配慮として、ルビ付きにすることや、読み上げ、ひらがなでの回答も内容が合っていれば正解になる旨を記載しています。
−− 全国学力調査で、読み上げが認められているんですね。知りませんでした。
先生などが読み上げをしてよいことになっています。これを学校側も知らないのです。学校の先生は、読み上げ配慮に関してすごく慎重になることが多いんですね。ですから文部科学省の事業である全国学力調査で読み上げが認められていることを知っておくことは、他のテストでの読み上げを認めてもらう上でも大切なことなのです。
●デジタル教科書の個人購入
個人のためのデジタル教科書の購入サイトに「Lentrance(レントランス)」があります。保健体育や家庭科を含めて、多くの教科書がそろっています。全ての教科書会社のものがあるというわけではありませんが、まずはこちらのサイトで探してみるといいと思います。


