当事者家族インタビュー
小学校5年生で、息子への告知

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本記事は、個人の体験談です。発達障害においては、たとえ同じ診断であっても、症状や困難は一人一人違います。また時期や地域によって、医療や教育、サポートの体制も大きく異なります。
許可を得て、告知に関する資料を掲載します。詳細に残された当時の会話の記録から、母親がどのように小学5年生の息子に、発達障害について伝えたのかがわかります。また息子がどのようにそれを受け止めたのかも伝わってきます。
母は息子とどんなやりとりがあったかを担任に伝えるために、2人の会話を書き残していました。以下は、告知の記録です。
いつかは、と漠然と思っていたその日が、思いがけなく突然来てしまいました。今日、息子に告知をしました。(息子 小学校5年生 11歳)
<経緯>
※なるべく忠実に、簡潔に記載する。
11月14日水曜日 午前11時次男(4歳)の保育参観中に、小学校から携帯に電話が入る
担任:息子さんの様子で困ったことがあり、相談の電話をした。
1. 学校で叱責した際に、ガラスのドアをとび蹴りした。
2. 鉛筆を(人のいない場所に)投げ、踏みつけた。
このようなことは、クラスメイトを怪我させるだけでなく、本人も怪我をすることになるし身体が大きくなってきた分、行動が目立ってしまう。
お母さんから注意をしてほしい。ただし、学校から連絡があったことを話すと、先生との信頼関係の問題もあり(「先生は親にチクッた」と息子から不信感を抱かれたくない)、望ましくないため、お母さんの友達の話など作り話でも良いので、一般論として考えさせ、注意してほしい。
担任には報告して頂いたことを感謝し、対処してみますと言ったものの、方法に悩む。
2日前に、「甘えたい」とお腹にしがみ付かれた。
最近うわの空で、こちらの指示がまったく聞こえていないな、と思うことがあった。
……とはいえ、家庭内ではのんびり平穏に暮らしていたため、学校での様子を聞き、少々驚く。
先生の言う「一般論」で息子の心に響くとは思えない。作り話もしたくない。
かといって、事件の日時や前後関係も、彼が置かれていた状況もまったくわからないので、追求するわけにもいかない。
とりあえず、娘の習い事の時間に(45分間)、息子だけを連れ出し、二人でコーヒーを飲みに近所のショッピングセンターに出掛けた。
母:ヒトって、生物学上、完全なイキモノだと思う?
子:まさか~。